オフィスの移転やリニューアルの際に直面するのが、「オフィス家具の処分」の問題です。
オフィス家具の処分は、ご家庭で不要なアイテムを捨てるときとは注意すべき点が異なるため、正しい処理方法を知ることで、法的なリスクを避け、環境やコストに配慮した方法で処分することが可能です。
この記事では、
「オフィス家具の処分方法や手続きのフローを知りたい」
「オフィス家具の処分費用の相場は?」
「オフィス家具を無料で引き取ってもらう方法はないのか?」
といったことでお悩みの方に向けて、オフィス家具の処分方法とその際に知っておくべき費用削減のポイントを、プロの目線で詳しく解説します。
ぜひ最後までご覧いただき、オフィス家具を処分する際のご参考にしてください。
オフィス家具は一般廃棄物ではなく、「産業廃棄物」扱い
まずオフィス家具の処分を検討する際に知っておくべき重要な点は、「オフィス家具=産業廃棄物」として分類されるということです。
産業廃棄物とは、業務活動から発生する廃棄物全般を指し、これにはオフィス家具も含まれます。
このため、家庭用の家具とは異なり、特定の法律に基づいた適切な処理が求められます。
産業廃棄物の不適切な処分は、法的な罰則を受けるリスクがあるため、処理には十分な注意が必要です。
オフィス家具の処分方法はいくつかありますが、どの方法で処分するかを決める前に、まずは自社が保有する家具の種類と量を正確に把握し、どの家具が産業廃棄物に該当するかを確認することから始めましょう。
これらの家具を合法的に処分するためには、認可を受けた産業廃棄物処理業者と契約することが一般的ですが、その他におすすめしたい処分方法も併せてご紹介します。
オフィス家具の主な廃棄方法3選
オフィス家具を処分する方法は主に以下の3つです。
- 産業廃棄物処理業者へ依頼
- 自治体へ依頼
- リサイクル業者へ依頼
それぞれの廃棄方法について順番に解説します。
【手間の少なさを重視する場合】産業廃棄物処理業者へ依頼
オフィス家具の処分において最も一般的で確実な方法は、産業廃棄物を扱う業者に依頼する方法です。
これらの業者は、廃棄物の運搬から処理、最終的な処分までを一手に引き受けてくれるので、処分方法を調べる時間がない方や、処分にあてられる時間が少ない方、手間をかけられない方におすすめの方法です。
ただ一方で、悪質な業者を誤って選んでしまうと企業に損害が出てしまうリスクもあるので、業者選びの際は、適切な許可やライセンスを持っているかをまず確認し、過去の実績や評価も参考にすることが大切です。
この方法のメリットは、すべての処理を専門家が行うため法的リスクを抑えながら処分できる点ですが、その分コストは高い傾向にあるので、ご予算と合わせて検討しましょう。
また、注意するべき点は、産業廃棄物処理業者に依頼する場合、「マニフェスト」の発行が必須であるということです。
マニフェストとは廃棄物の処理が最後まで適切に実施されたかどうかを確認するために作成する書類のこと。「排出事業者」に発行責任がありますが、専門知識が必要なため、処理業者に委託して対応することがほとんどです。
マニフェストを発行しない場合は法律違反となり処罰の対象になるので、対応漏れがないか必ず確認し、発行後は大切に保管しましょう。
【業者を探す時間がない場合】自治体へ依頼
次にご紹介するのは、各自治体へオフィス家具の処分を依頼する方法です。
信頼度の高い自治体にお願いできるので、適切な産業廃棄物処理業者を探す時間がない方におすすめです。
オフィス家具の処分は基本的に事業者自身で処分することが義務付けられているため、全ての自治体で処分を行っているわけではありませんが、オフィス家具を解体して小さくできる場合や、対応している材質の家具であれば処分してもらえる可能性も。
産業廃棄物処理業者に依頼するよりも費用を抑えられる可能性があるため、まずはお近くの地方自治体へ連絡し、オフィス家具処分の対応可否を確認しましょう。
また、処分の対応をしている場合でも、解体作業や運搬作業は対応範囲外のケースもあるため、費用を抑えられる代わりに作業量が増える可能性が高い点は注意が必要です。
【費用を抑えたい場合】リサイクル業者での無料引き取り
最後にご紹介するのは、リサイクル業者による引き取りサービスを利用する方法です。
基本的には無料で引き取りしてくれることがほとんどで、まだ使える家具がある企業やできるだけ処分コストを抑えたい方におすすめの方法。
費用だけでなく環境にも配慮した処分方法を求める企業にとっても魅力的な選択肢です。
また、適切な処理業者を選定する時間がない方でも、無料の引き取りであれば損害が出る心配がないので安心して依頼できる点も魅力です。
前述したマニフェストの発行についても、廃棄物としてではなく「有価物」としての取り扱いであれば原則不要なので、リサイクル業者に依頼すると手続きもスムーズに進められます。
引き取り時期や、家具のブランドにより価格はさまざまですが、オフィス家具の買取相場は以下の通りです。
- デスク:2,000円~
- OAチェア:500円~
- コピー機:1,000円~
- キャビネット:1,000円~
- 応接セット:3,000円~
- パーテーション:500円~
- ホワイトボード:1,000円~
引き取られた家具が買取されれば、処分費用を抑えながら、そのほかで発生した諸費用もカバーできるので、コスト重視の方には特におすすめ。
ただ多くのリサイクル業者は、再販可能な家具を市場に戻すことで収益を上げるため、状態の良いオフィス家具を優先的に引き取ります。
どこのリサイクル業者でも引き取ってくれるとは限らないため、事前に業者にどのような家具なら引き取り可能であるかを確認し、条件に合致するかを検討するようにしましょう。
オフィス家具の処分時に抑えるべきポイント
次に、オフィス家具の処分にあたり、事前に確認するべき項目を3つ解説します。
処分にかかる日数を確認する
まず処分を計画する際は、どのくらい時間がかかるかを把握しておくことが重要です。
処分にかかる日数の目安としては、「即日対応」をしてくれる処理業者もあるものの、業者によっては、家具の量や種類に応じて処理に時間がかかる場合があります。
さらに、業者が混雑している時期には、予想よりも長い時間がかかることも。
また、自治体に依頼する場合は、決まった日時を指定されることもあるので、注意が必要です。
したがって、処分計画はオフィスを空ける日から逆算して、期日より余裕を持ったスケジュールを立てるようにしましょう。
また、期日に余裕がある場合は、リサイクルに回せる分を精査する時間を設けるのがおすすめです。
まだ使える家具に目星をつけておくことで後日リサイクル業者が引き取ってくれる可能性があり、処分費用の削減にも期待できます。
廃棄にかかる費用の相場を把握する
オフィス家具の処分費用は、処分する家具の量や処理方法によって異なりますが、一般的には家具一点あたり数千円から数万円の範囲です。
目安は以下を参考にしてください。
▼品目別で費用を算出する場合
- オフィスデスク:1点2,000〜8,000円
- オフィスチェア:1点1,000〜7,000円
- パーテーション:1点2,000〜3,000円
- キャビネット:1点3,000〜7,000円
- ロッカー:1点5,000〜8,000円
▼トラック台数で費用を算出する場合
- 軽トラック:1台約20,000〜30,000円
- 2tトラック:1台約50,000〜60,000円
- 4tトラック:1台約80,000〜100,000円
実際に処分を依頼する前に比較検討することがコスト削減に繋がるので、複数の業者から見積もりを取ることがおすすめ。
また、不必要なサービスに対する料金が含まれていないか、詳細な見積もりを確認することも重要です。
スムーズに処分するための対応チェックリスト
オフィス家具の処分フローを効率化するためには、チェックリストの作成が有効です。
具体的には、以下の準備を行うことで、処分当日に混乱せずスムーズに対処することができるでしょう。
- 処分する家具のリストアップ
- 処分期日までのスケジューリング
- 業者の信頼性の確認
- 業者への見積もり依頼・廃棄依頼
- 家具の清掃・メンテナンス(リサイクルを希望する場合)
- マニフェストの保管(廃棄物として処分する場合)
このように、オフィス家具の処分をするにあたり事前に対応するべきことはいくつかありますが、適切な知識のもとしっかりと準備することで、法令を遵守し、環境に配慮した方法で処分することが可能です。
また、不明な点がある場合は、リサイクルショップ再良市場にご連絡いただくとプロの目線でお悩みを解消します。些細なことでもどうぞお気軽にご相談下さい。
オフィス家具の処分に適した業者の選び方
オフィス家具の処分を効率的に行うためには、適切な業者の選定が非常に重要です。
ここでは、産業廃棄物処理業者とリサイクルショップを選ぶ際に注意するべきポイントを具体的に解説します。
産業廃棄物処理業者に依頼する場合の選び方
産業廃棄物処理業者を選ぶ際には、以下の2つに注意しましょう。
①許可証を持っているかどうか
その業者が環境省や地方自治体から正式な許可を受けているかどうかを確認することが必須です。許可された業者であれば、法的な問題を避けながら安全に処分を進めることが可能に。
ただ、業者によっては対応が悪い場合もあるので、業者の評判や過去の利用者からの評価をチェックし、信頼性を確かめることも大切です。
②必ず見積もりを事前に貰うこと
また、処分費用の透明性や追加費用がないかどうかも事前に確認し、後でトラブルが起きないように必ず契約前に見積もりをとり、おおよその費用を明確にしておくことが重要です。
1社だけでは判断が難しいので、複数社から見積もりを貰って比較することをおすすめします。
さらに、廃棄量ではなくトラックの台数で費用が変わる仕組みの場合、廃棄物の詰め方によっては台数が増えて費用がかさむ可能性もあるので、見積もりの内容は細かく確認するとトラブルを防げます。
リサイクルショップに依頼する場合の選び方
リサイクルショップを利用する場合は以下の4つに注意しましょう。
①処分したいオフィス家具が買い取りの対象であるかどうか
まずはそのリサイクルショップがオフィス家具の引き取りを対応しているかどうか確認することが重要です。
多くのリサイクルショップは、再販可能な状態の良い家具のみを受け入れるので、オフィス家具が対象である場合も事前にショップに連絡を取り、引き取り条件についても併せて確認しましょう。
②費用が発生する可能性の有無について
また、引き取りが無料である場合も、その後追加で費用が発生する可能性があるかどうかを事前に確認すると、トラブルを未然に防げます。
③出張サービスの有無について
さらに、出張サービスの有無、家具を店舗まで持ち込む必要があるかどうかも把握しておくことが望ましいです。
1点から出張買取をしてくれるショップもあれば、点数によって対応が異なるショップもあるため、出張サービスの詳細についても事前に確認してから選ぶとよいでしょう。
④OA機器のデータ消去に対応しているかどうか
オフィス家具だけでなくOA機器も処分する場合は、内部のデータを確実に消去することが重要です。
パソコンやコピー機のデータが漏洩すると、大きな損害が生まれる可能性もあるため、データ処理の対応可否についても併せて確認するとスムーズです。
オフィス家具の処分についてよくある質問
ここからは、オフィス家具の処分についてよくある質問をご紹介します。オフィス家具を処分する際の参考にしてください。
オフィスチェアは一般廃棄物ですか?
オフィスチェアは、使用される環境によって異なりますが、一般的には産業廃棄物に分類されることが多いです。
特に、業務用として使用されたオフィスチェアは、産業廃棄物として適切な処理が必要です。
このため、一般的なゴミとして捨てるのではなく、他のオフィス家具と同様に、認可された産業廃棄物処理業者に依頼することが適切です。
会社の備品はどのように捨てますか?
紙やファイル、OA機器といった会社の備品も産業廃棄物に該当するため、オフィス家具と同様の方法で処分することが求められます。
ただ、木製のオフィス家具は事業系一般廃棄物、金属製やプラスチック製のオフィス家具は産業廃棄物など、材質によって分類が異なるので、廃棄物ごとに適切な処理業者に依頼して正確に処分することが重要です。
まとめ
オフィス家具の処分方法は主に以下の3つです。
- 産業廃棄物処理業者へ依頼
- 自治体へ依頼
- リサイクル業者へ依頼
ご家庭で出るゴミの処理と異なり、オフィス家具を処理する場合は産業廃棄物として取り扱う必要があるため、正しいフローで、法令を遵守した方法で処分することが重要です。
リサイクル業者での引き取りであれば、廃棄物ではなく「有価物」の扱いになり、面倒な手続きが不要になる場合もあるので、まだ使用できるオフィス家具がある場合はぜひリサイクル業者への依頼をご検討ください。
名古屋近辺で無料買取を行っているリサイクル業者をお探しの場合は、リサイクルショップ再良市場に一度ご連絡ください。
出張サービスも無料で行っているほか、オフィス家具の買取・処分も対応している実績のあるリサイクルショップなので、ぜひお気軽にお問い合わせください。