遺品整理や生前整理を検討する方の中には、「いつから始めるべき？」「何から手を付ければいいのか分からない」と悩む方は多いのではないでしょうか。
遺品整理と生前整理はどちらも根気がいる作業なため、整理を進める中で心身ともに疲れることがあるかもしれません。しかし、整理は人生に向き合う貴重な機会でもあります。
この記事では、遺品整理と生前整理の違いから、最適なタイミング、費用相場、業者選びのポイントまで解説します。スムーズに整理を進めるための参考にしてください。
遺品整理・生前整理の目的
遺品整理と生前整理は、どちらも「物の整理」という点では共通していますが、それぞれの目的は大きく異なります。遺品整理は故人が残した物の整理ですが、生前整理は自分の持ち物や情報を整理し、残された家族の負担を減らすのが主な目的です。
遺品整理は故人との別れを受け入れる過程であり、生前整理は将来への準備をするイメージです。それぞれの目的を理解することで、自分にとって適切なタイミングで整理を進められるでしょう。
遺品整理は「故人の遺品を整理」すること
遺品整理とは、故人が生前に使用していた物を整理し、必要に応じて不要な物は処分することを指します。整理する物は家財道具や衣類、写真、思い出の品などです。一般的には残された家族が中心となって整理を進めますが、専門業者に依頼するケースもあります。
遺品には故人の思いが詰まっているため、遺族は心理的な負担を伴うことが多いです。しかし、遺品整理は故人と向き合い、別れを受け入れるための貴重な機会ともいえます。
生前整理は「自分の物・心・情報を整理」すること
生前整理は、健康なうちに持ち物や財産、個人情報を整理することを指します。主な目的は、家族の負担を軽減し、自分が亡くなったあとの手続きをスムーズに進めることです。
生前整理という言葉から暗いイメージを持つ方も多いかもしれませんが、現在の生活を豊かにするという要素もあります。生前整理で身の回りが片付くと快適に過ごせるようになり、生活が豊かになるでしょう。また、生前整理を進める中で自分の心も整理でき、安心して老後を迎えられます。
参考：独立行政法人国民生活センター「特集 今から始める生前整理」
遺品整理・生前整理はいつから始めるべきか
遺品整理と生前整理は、適切なタイミングで始めることが重要です。遺品整理は基本的に故人が亡くなったあとに始めますが、状況によっては早めに進めたほうが良いケースもあります。一方、生前整理は健康なうちに少しずつ取り組むのが理想的です。
遺品整理のタイミング
遺品整理のタイミングは人それぞれですが、「故人への思いが整理できてから」始めることが大切です。遺品整理は、葬儀後や四十九日など節目のタイミングで始める家庭もあれば、相続手続きが落ち着いてから取り掛かるケースもあります。
しかし、空き家を放置すると税金負担が増える可能性があるため、なるべく早く進めるのが理想的です。遺品整理に決まったタイミングはありませんが、家を売却や引き払う予定がある場合は早めに始める必要があります。
空家法について
「空家法（空家などの推進に関する特別措置法）」とは、適切に管理されていない空き家の活用や撤去を促す法律です。
空家法では、建物の倒壊や衛生上の問題がある空き家などを「特定空家」に指定します。特定空家に指定されると、固定資産税の軽減措置がなくなり、行政から撤去や修繕の命令が入ることがあります。そのため、故人の家が空き家になる場合は早めに遺品整理を始め、売却や活用を検討する必要があるのです。
遺品整理を始めるべきタイミングは人それぞれですが、故人の空き家を放置すると「特定空家」に指定される可能性があることを知っておきましょう。
参考：e-GOV法令検索「空家等対策の推進に関する特別措置法」
国土交通省「空家の除却等を促進するための土地に係る固定資産税等に関する所要の措置」
生前整理のタイミング
生前整理は、健康なうちに少しずつ進めるのが理想的です。とくに、60代以降になると体力が落ちるため、早めに始めると負担が少なく済みます。また、退職や子どもの独立など、生活環境が変わるタイミングで始めるのも良いきっかけの1つです。
生前整理は1度にすべて終わらせる必要はありません。日常的な習慣として少しずつ取り入れると、心身ともに負担なく進められるでしょう。
| タイミング | きっかけ |
|---|---|
| 60代以降の節目 | 定年退職、子供の独立、趣味を楽しみたい |
| 体力や判断力がある健康なうち | 物忘れが増えた、体力が落ちてきた |
| 住まいを変える時 | 持ち家を手放す、施設入居の検討 |
| 家に物が多いと感じてきた時 | 片付けに困る、掃除や整理が負担に感じる |
遺品整理・生前整理の方法
遺品整理や生前整理には、自分で行う方法と専門業者に依頼する方法があります。それぞれの状況や環境によって最適な方法は異なるため、メリット・デメリットを比較して検討しましょう。
自分や親族で整理する
自分や親族で整理する場合、自分たちのペースで進めることが可能です。じっくり振り返りながら進めることで、気持ちの整理にもつながります。しかし、整理する量が多いと心身ともに負担が大きいため、計画的に進めることが重要です。
整理をスムーズに進めるために手順を細分化したり、家族で役割分担したりする方法もあります。自分たちで整理する場合は、焦らず無理のない範囲で進めましょう。
業者に依頼する
大量の荷物がある場合や遠方に住んでいる場合は、専門業者に依頼する方法があります。業者に依頼するとスムーズに作業を進められ、家具の移動や不用品の処理なども安心して任せられます。
また、遺品整理を業者に依頼する場合は、短時間でも遺族が立ち会うのが理想的です。大切な遺品を確認しながら最後のお別れをすることで、心残りのない遺品整理につながります。
遺品整理・生前整理をスムーズに進めるコツ
遺品整理や生前整理は、適切な工夫で効率よく進めることが可能です。計画的に進めることで心身の負担を減らし、納得のいく選択がしやすくなります。ここでは、整理する際に役立つ2つのコツを紹介します。
エンディングノートを活用する
エンディングノートは、葬儀の希望や財産情報などをまとめておくノートです。生前整理ではもちろん、遺品整理でも家族が判断するために役立ちます。エンディングノートは1度書いて終わりではなく、定期的な見直しと更新が大切です。
エンディングノートに書く内容は以下のようなものがあります。
- 個人情報
- 家系図
- 所有している土地
- デジタルデータ
- 財産情報
- 葬儀の希望
エンディングノートは遺言書のように法的効力はないため気軽に書けます。財産分与など法的な効力を持たせたい内容は、別で遺言書を作成するのがおすすめです。
捨てるのではなく、手放すイメージを持つ
整理が進まない理由の1つに、「長年の思い出がある」「捨てるのはもったいない」という感情が大きく関わってきます。そのため、「捨てるのではなく手放す」と考えると気持ちが軽くなり、罪悪感も減るかもしれません。
また、「今の自分に必要かどうか」を基準にして、「次に大切にしてくれる人へ引き継ぐ」と考えると、整理がしやすくなります。整理は捨てることが目的ではなく、本当に必要な物を見極めるのが目的です。整理を通して故人や自分の人生について考え、物も心もすっきりさせましょう。
参考：独立行政法人国民生活センター「特集 今から始める生前整理」
遺品整理・生前整理を業者に依頼した時の流れ
遺品整理や生前整理を業者に依頼する場合、事前に流れを把握しておくと安心です。一般的には、以下のようなステップで進みます。
- 問い合わせ
- 見積り
- 申し込み
- 出張回収
- 支払い
業者によってサービス内容が異なるため、事前の確認が大切です。とくに、即日対応の可否や追加料金の有無などを把握しておくと、想定外のトラブルを避けられます。
再良市場では、最短即日で見積り・出張が可能です。見積もりは無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。
遺品整理・生前整理の費用相場
遺品整理や生前整理の費用相場は、家の広さや作業量によって異なります。貴重品の買取や不用品のリサイクルを活用すれば、費用を抑えることも可能です。以下の再良市場の料金目安を参考にしてみてください。
| 家の広さ | 料金 |
|---|---|
| ワンルーム | 0円〜100,000円 |
| 1DK | 10,000円〜120,000円 |
| 1LDK・2DK | 30,000円〜250,000円 |
| 2LDK・3DK | 50,000円〜420,000円 |
| 3LDK・4DK | 80,000円〜680,000円 |
遺品整理・生前整理を業者に依頼するメリット3つ
遺品整理や生前整理を業者に依頼するメリットは以下のようなものがあります。
- 精神的・体力的負担が軽減する
- 時間を有効活用できる
- 買取で整理費用の負担を軽減できる
それぞれ解説していきます。
精神的・体力的負担が軽減する
遺品整理や生前整理は精神的・体力的に負担が大きい作業ですが、業者に依頼すれば無理なく進められます。とくに、家族が遺品整理する際の精神的な負担は大きいです。また、家具の移動や荷物の仕分けは体力的にも負担がかかります。
遺品整理が必要な時期は、ほかにもするべきことが多く整理が後回しになりがちです。業者に依頼すれば精神的・体力的負担が軽減し、スムーズに整理を進められます。
時間を有効活用できる
遺品整理や生前整理を自分たちだけで進めると、数週間〜数ヶ月かかることもあります。整理だけでなく不用品の処分や手続きにも時間が必要なため、計画的に進めることが大切です。
しかし、仕事や家庭の事情で十分な時間を取れない場合は、業者に依頼すればスムーズに整理が進みます。限られた時間の中で整理を進めるためにも、業者のサポートを活用するのは有効な方法といえるでしょう。
買取で整理費用の負担を軽減できる
遺品整理や生前整理の業者によっては買取サービスを提供しています。ブランド品や家具などを買取してもらえば、整理費用を抑えることが可能です。場合によっては、買取金額が整理費用を上回り、支払いの負担が実質ゼロになることもあります。
費用を抑えながら効率的に整理を進められる点は、業者に依頼する大きなメリットといえるでしょう。
遺品整理・生前整理を業者に依頼するデメリット2つ
遺品整理や生前整理を業者に依頼する場合のデメリットとして、「費用がかかる」「信頼できる業者を選ぶ必要がある」という点があります。デメリットも理解したうえで、納得してサービスを利用しましょう。
費用がかかる
遺品整理や生前整理を業者に依頼すると、当然ながら費用がかかります。作業内容や家の広さによって金額が変わるため、予算に合わせた業者選びが大切です。遺品整理には費用がかかりますが、手間や時間は軽減できます。費用対効果を考えて最適な方法を検討しましょう。
信頼できる業者を選ぶ必要がある
遺品整理や生前整理を業者に依頼する際は、信頼できる業者選びが重要です。中には高額請求をする業者や不用品を不法投棄する業者もいるため、慎重に見極める必要があります。
業者選びのポイントとして、古物商許可（中古品の売買に必要な許可）や会社情報、口コミや評判を確認することが大切です。
遺品整理・生前整理に関するよくある質問
遺品整理や生前整理を進める中でよくある質問に回答します。
古くても買取してもらえる？
買取可能かどうかは、品物の状態や種類によります。ブランド品や骨董品、未使用の家電などは、古くても買取されるケースが多いです。一方、傷みが激しい物や市場価値が低い物は買取が難しい場合があります。
上記以外でも買取可能な物は多くあるため、まずはご相談ください。
部屋が散らかっていても良い？
業者は整理が必要な状態で依頼を受けるため、部屋が散らかっていても問題はありません。ですが、貴重品や必要な物は事前に仕分けしておくとスムーズに作業が進みます。
遺品整理・生前整理には立ち会ったほうがいい？
立ち会いが必要かどうかは業者によって異なります。遠方の場合やスケジュールの都合が合わない場合は、立ち会い不要の業者を選ぶのも1つの方法です。しかし、タンス預金や貴重品が適切に対処されない可能性も考慮し、可能であれば立ち会うのがベストです。
まとめ：遺品整理・生前整理にお悩みなら、再良市場にお気軽にお問い合わせください
遺品整理は「故人の遺品の整理」、生前整理は「自分の物や情報の整理」を指します。どちらも過去や未来と向き合う貴重な機会なため、適切なタイミングで始めるのが重要です。
整理には、自分で行う方法と業者に依頼する方法があります。両方の特徴を理解したうえで、自分に合った最適な方法を検討しましょう。
再良市場では生前整理のサポートをしています。「何から始めれば良いかわからない」とお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
